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《消えた男の日記》选段分享5

2018年09月29日 09:56:41来源:日语考试网
导读:日本文学在世界范围内具有重要地位,日语考试阅读中,时而会涉及到这样的内容,所以大家可以平时就多读一些这样的文章,一是能够提升考试成绩,二是可以培养自己的文学素养,让自己对于日语也更感兴趣。

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下面是为你整理的内容。

逃 亡

医師が、病室から出て来る。

大内は、パッと立ち上った。いつの間にか眠り込んで大内にもたれていた入江が、横に倒れそうになって、あわてて起き上った。

「や、どうも」

と、中年の太った医師は肯いて見せた。

「どうも夜遅くに申し訳ありません」

と、大内が言った。

「いや、全く」

と、入江も立ち上って、「どうですか、具合は?」

「まあ、詳しいことはもっと検査してみないと、何とも言えませんが」

と、医師は言った。「目そのものには異常は認められないので、たぶんショックによるものでしょう。一時的なものだと思いますよ」

「そうですか」

入江はホッとした。——これで依子が失明することにでもなったら、何とも気が重いからだ。

「まあ、ゆっくり静養させることです」

「どうも……。あの、今夜はここでお世話になっても——」

「構いませんよ。どうせ病室は空いてる。ついでに入院していきますか、みんなで」

面白い医師だった。

「先を急ぎますんで。明朝、出発したいと思います。我々はこの待合室で夜明かししますので」

「ご自由に。お茶くらいでしたら、宿直室でさし上げますよ」

「ありがとうございます」

——医師が行ってしまうと、入江と大内は顔を見合わせた。

「やれやれ、重荷が下りた気分だ」

「全くですね」

と、大内は言った。「東京へ行ったら、精密な検査を」

「うん。そうしよう」

入江は欠伸《あくび》をした。

「警部、休んで下さい。僕は彼女のそばについてます」

「例の娘《こ》は?」

「車で寝てます。後で様子を見て来ますよ」

「そうか。——今、十一時か」

入江は腕時計を見て、「俺《おれ》が先に柴田君についてるよ。お前は、車で少し眠って来い」

「しかし——」

「俺は途中で代る。その方が楽だ」

「分りました。じゃ、一時ごろに」

「それじゃ、お前が眠れん。二時で充分だ」

「了解しました」

大内は肯いて、病院の夜間出入口の方へ歩いて行った。

入江は、そっと病室へ入った。

二人部屋だが、片方は空いているので、依子一人がベッドで寝ている。そっと椅《い》子《す》を寄せて腰をおろすと、

「——係長ですか」

と、依子が言った。

「何だ、起きてたのか」

と、入江は言った。「どうして俺だと分った?」

「足音が重そうで」

「おいおい」

と、入江は笑った。「何てことないそうだ。良かったな。眠れよ」

「ええ……。すみません。ご厄介をかけてしまって」

「何を言っとる」

「どうぞ、おやすみになって下さい。私は大丈夫ですから」

「病人は、素直に言うことを聞くもんだ」

入江は、依子の手を両手で挟んで、「いつも君は損な役回りだったな」

「どうしたんですか。係長?」

「いや……。すまんと思ってるんだ、君や大内には」

「大内さんは?」

「車だ。あの子とな」

「そうですか。——いい子ですね、敦子さんって」

「現代っ子だ。俺にゃ分らん」

と、入江は肩をすくめた。

咲江のことだって、分っているかどうか……。

いや、分ろうともせず、そんな時間も作らなかったのではなかったか。

咲江……。大丈夫なのか。もうすぐ俺もそっちへ行くぞ。

入江は、椅子に座り直して、腕を組んだ。

そっとドアを閉めたつもりだったが、やっぱり敦子は目を開けて、

「どうしたの?」

と訊《き》いた。

「すまん。目を覚ましちまったな」

と、大内は言った。

「いいの」

敦子は首を振って、「少し眠れば。——若いんだから」

大内はちょっと笑って、

「君の寝顔を見たかったのさ」

と、言った。

「あら。——依子さんは?」

「うん。時間が立てば、元に戻るだろうって」

「良かった」

敦子は一杯にリクライニングを倒した助手席で、息をついた。「すてきな人なのに。どうして大内さん、プロポーズしなかったの?」

「ええ?——さあね、あんまり親しくなり過ぎたのかな。家族みたいなもんさ」

「そうか。でも、良かった。おかげで、私とキスできるんだものね」

「全くだ」

大内は、敦子の額にキスして、「眠ったら?」

「あなたは?」

「二時に、入江さんと交替さ」

「じゃ、三時間ぐらいある」

「うん」

「眠る?」

「君が眠るなら」

「眠らなかったら?」

「そうだなあ……。おしゃべりでもするかい?」

「どっちもいやよ」

「しかし……こんな狭い車の中で……」

「キスするだけなら、できるでしょ」

敦子は、大内の頭をかかえるようにして、引き寄せた。——大内も遠慮はせずに、敦子の胸もとへ手を入れた。

「すてき……」

と、敦子が囁《ささや》いた。「このまま——」

突然、車の中の無線から、

「入江さん!」

という声が飛び出して来て、二人はびっくりして飛び上がった。

「何?」

「無線だ。——何事だろう?」

大内はマイクを取った。

「入江さん! いませんか?」

「大内です」

とマイクで答える。

「良かった。吹田です」

入江に心服していた、若い巡査である。

「やあ、どうしたんだい?」

「実は——」

吹田が少し声を低くした。「よく事情は分りませんが、署長が、どこかへ連絡するのを聞いてしまったんです」

「連絡? どんな?」

「それが、あなた方が何やらまずいものを見たらしい、と。何とか始末した方が、と言っていたんです」

「そうか」

「この近辺の町へ連絡して、捜しています。見付けますよ、きっと。気を付けて下さい」

「分った。ありがとう」

「いえ。——入江さんが、悪いことなんかして、追われるはずがないです」

「嬉《うれ》しいよ、信じてくれて。しかし君の身も危くなる。用心して。いいね」

「はい。どうかご無事で」

連絡は切れた。

「——どうするの?」

と、敦子は起き上った。

「出発するしかない。待ってろ」

大内は、車を出ると、病院へと駆けて行った。

「——参ったな」

と、松本は言った。

ソファで、いびきをかいているのは、ルミである。

「これじゃ、帰りそうもないや」

「いいじゃないの。——助けてもらったのに、文句言っちゃいけないわ」

と、咲江は言った。「ともかく、あなたもここへ泊まんなきゃね」

「そうだな。後のことは明日、考えようか……」

松本は欠伸《あくび》をした。

「どこで寝る?」

「うん?——どこでもいいよ。僕は廊下でも台所でも寝られる」

「私のベッドでも?」

松本は、咲江の肩に手をかけると、

「ねえ……」

「無理しないで」

と、咲江は言った。

「別に僕は——」

「あのルミって人と寝たんでしょ?」

松本がギョッとすると、咲江は笑って、

「いくら私がうぶでも分るわよ。あんな時間に石けんの匂《にお》いをプンプンさせて、髪も濡れてたし」

「そうか……。でも、仕方なかったんだ。助けてくれたのは確かだし——」

「いいわよ。あの人、ちょっと変ってるけどいい人だわ」

「僕が好きなのは君だ」

「分ってるけど……。私と寝たら、もうあの人とは寝ないでね」

「もちろんさ」

「じゃ、キスして」

咲江は目を閉じた……。

二人は寝室へ入り、ドアを閉めた。

「私、さっきシャワーを浴びたわ」

と、咲江は言った。「あなたはちゃんと、お風呂へ入ったのね」

「そういうことだ」

「まだ私のこと抱いてくれる元気はある?」

咲江はベッドにそっと腰をおろした。

「あるとも」

松本は、並んで腰をおろすと、咲江の肩を抱いた。——二人はそのままベッドの上に倒れ込んだ。

電話が鳴り出して、二人ははね起きた。

ベッドのそばの電話を、咲江は急いで取った。

「もしもし。——あ、京子?」

「咲江、どう、そっち?」

「うん、快適よ」

「ならいいけど。さっきさ、警察の人が来たわ。あんたと松本君のこと、訊《き》いてったわよ」

「松本君のことも?」

「うん。何かやらかしたらしいわ」

「ぬれぎぬなのよ。例の日記帳のことで」

「知ってたの?——そうか、そこにいるんだ、あいつ」

「あいつ、って……。まあね」

「もしかして、ラブシーンの最中?」

「まだこれから」

「ハハ、お邪魔しましたね」

「京子ったら……。何て答えたの?」

「居場所の心当り、って言われたから、大学の図書館にでも行ってんじゃないですか、って言っといた。でも、何だか深刻な状況じゃない?」

「うん。何か手を打たないと、どんどんこっちが不利になっていくみたい」

「明日、そっちに行くからさ。相談しようよ。ね?」

「ええ。ただ、気を付けてね。尾行とか」

「任せて。真面目に大学へ出てから、抜け出すわ」

「それじゃ、何か食べるもの、買って来てくれる?」

「いいわよ。それと、あんまり早く行かない方が良さそうね」

咲江は、チラッと松本を見て、

「そうね」

と、言った。

「それと、咲江」

「うん?」

「ちゃんと、できないように気を付けるのよ」

「はいはい」

咲江は笑って、電話を切った。「——明り、消してね」

「うん」

松本が明りを消しに立って行く。咲江は、軽く息をつくと、セーターを脱いで、軽く頭を振った。

明りが消えて、電話ももう鳴らなかった……。

「——この道のはずです」

と、大内は言った。

「夜明けまでに、何とか国道へ出たいな」

と、入江は言った。「車も多いし、目立たない」

「大丈夫ですよ」

大内が肯《うなず》く。「まだ時間はあります」

「だといいが」

入江が呟《つぶや》くように言った。

車は山道を走っていた。曲りくねっているが、大内の腕はyi流だ。運転に不安はなかった。

後部座席では、依子と敦子が、毛布を掛けて眠っていた。

「一時半か」

と、入江は時計を見た。「しかし、分らんな。何があったんだ? あの笠矢という男と娘は、何を知ってたんだ?」

「きっと、あの日記帳ですね、鍵《かぎ》は」

「父親は殺されたんだろう。——あの娘がどうなったか、気になる」

「あの爆発の時、家の中にいたら、おしまいですよ」

「うむ……。しかし、なぜ娘まで消す必要があったのかな」

「我々もですね」

「そうだ。あの水島って署長、裏でどこかとつながっているんだ。たぶん、〈永井かね子〉って女と」

「東京へ行かないと、糸口は見付からないようですね」

「うん。ともかく、咲江のことも心配だ。今どこでどうしてるのかもな」

「ボーイフレンドが——」

「ますます心配だ」

と、入江は言って、「——おい、何か赤い灯が見えたぞ」

「どこにですか」

「前方の、上の方だ」

「上? 山の中ですよ」

「ああ、分ってるが……。気のせいかな」

と、入江は首を振った。

そして、車が大きくカーブを切る。入江は窓を下ろした。——聞こえる。

「ヘリコプターだ!」

爆音が聞こえた。車の上に、迫って来ている。

「危いぞ!」

大内がアクセルを踏む。タイヤがきしんだ。車のすぐ後ろで、爆発が起きた。

「キャッ!」

と、敦子が飛び起きた。「何ごと?」

「ヘリコプターが追って来た」

と、入江は言った。「君らは頭を低くして毛布をかぶってろ」

「トンネルです」

と、大内が言った。「あの中へ入れば——」

「急げ!」

車がトンネルの闇の中へ突っ込むのと、爆発とがほとんど同時だった。車の後尾が大きくはね上った。

ブレーキがきしむ。

車は横転して、トンネルの壁にぶつかった。火花が闇の中に飛んだ。

「外へ出るんだ!」

入江はドアを押し上げ、足でけった。「大内! 大丈夫か!」

「ええ、何とか……。後ろの二人を」

「一旦外に出て、引張り上げる。お前、下から押せ」

「分りました!」

入江は車の外へ何とか出られて、息をついた。後ろのドアを開けると、まず敦子を引張り出す。

そして、依子を。——ガソリンの匂《にお》いがした。

引火したら大変だ!

「急げ!」

と、入江は怒鳴った。

有一些人经常问日语阅读方法,其实在学习的过程中,没有很多的捷径,就算方法,也是要通过摸索和努力,找到真正适合自己的。小编所提的的,也只是一些建议,具体是否适合你,还有待于你去琢磨探索。对于小编而言,读一些经典片段和有趣文章,会让自己的学习兴趣更加浓厚,学习效率自然也会有很大提升。更多学习分享可以点击坦途网日语考试频道,我们一直为你更新。

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