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《消えた男の日記》选段分享4

2018年09月29日 09:52:46来源:日语考试网
导读:日本文学在世界范围内具有重要地位,日语考试阅读中,时而会涉及到这样的内容,所以大家可以平时就多读一些这样的文章,一是能够提升考试成绩,二是可以培养自己的文学素养,让自己对于日语也更感兴趣。

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下面是为你整理的内容。

自分のマンションに戻って来た松本は、ドアの前で足を止めた。

中で物音がする。人の声も。——しかも一人じゃない。

誰だろう?

友だちが勝手に入ったのかな? いや、そんなことは考えられない。

用心した方がいい、と思った。何しろ、あのベンツに命を狙われた後なのだから。

一旦、外へ出ようと思った時には、もう遅かった。ドアが開いたのだ。

しかし——そこに立っていたのは、警官だった。

「何やってるんですか?」

と、松本は訊いた。

すると、その警官を押しのけて、私服の刑事が顔を出した。

「君は松本重起?」

「そうですけど」

「入ってくれ」

仕方ない。——ま、別に悪いことをした覚えもないしね。

松本は中へ入ってびっくりした。

大学へ入って、父親にこのマンションを買ってもらったのだが、2LDKの、一人にはぜいたくな広さだ。

しかし、今、中には警官が何人も動き回っていた。あらゆる引出しや棚があけられて、中身がぶちまけられている。

「何してるんだ!」

カッとなった松本が怒鳴ると、

「おいおい」

刑事が、松本の肩を叩いて、「そう熱くなるなよ」

と、小馬鹿にしたような調子で、言った。

「一体どういうことですか、これは?」

と、松本は何とか怒りを抑えて、言った。

しかし、刑事の方は答えようともせず、

「ここに一人暮しか。いいご身分だな」

と、不愉快そうに鼻を鳴らした。「いくら女を引張り込んでも、親の目は届かないわけだ。全く、今の親は何を考えているんだろうな」

「そんなことしか考えられないんですか、今の刑事さんは」

と、松本は言ってやった。

「おい、なめた言い方をするじゃないか」

と、まだ二十代らしい若いその刑事は、松本の胸ぐらをつかんだ。

「何のご用でいらしたのか、教えていただけませんか」

松本は却って冷静になれた。相手が、金持ちのどら息子という先入観でものを言っているのが分ると、気の毒になって来てしまう。

「分らなきゃ教えてやるよ」

と、刑事は手をはなした。「善良な市民から通報があったのさ。ここでマリファナパーティをやってるぜ、ってな」

「マリファナ?」

馬鹿らしい、という顔で、「そんなお金があったら、本を買いますよ」

「そうか? ないっていうんだな、そんなものは」

「ええ」

「じゃ、心配しないでおとなしく見物してるんだな」

刑事は、ポンとくずかごをけとばした。中のゴミが飛び散る。

——仕方ない。今はこらえているしかないだろう。

松本は、腕組みをして、リビングの入口のドアにもたれて立っていた。

「いいか! 隅から隅まで捜せ! 叩き壊しても構わん!」

と、あの若い刑事が、ハッパをかけている。

松本は気になった。——一体誰がそんなでたらめの密告電話をしたのだろう?

誰かに恨まれる覚えはない。大体、大学でも松本は「変り者」で通っているのだし、特別に誰かと争ったということもない……。

そうか!

あの日記帳! 誰かが、あれを手に入れようとして……。

松本は日記帳が無事かどうか、確かめたかった。しかし、今、動いたら、それこそあの刑事は、松本がマリファナを隠そうとしたと思うだろう。

松本は苛《いら》立《だ》ちを押えながら、じっと待っていた。

「——あったぞ!」

と、声がした。

警官の一人が、ビニールの袋を手に、台所から出て来た。手は真白になっている。

「どこにあった?」

と、刑事が急いでやって来る。

「台所です。小麦粉の袋の中に」

小麦粉の袋? そんなもの、初めっから置いていない。

そうか。——罠《わな》だ。

誰かがここへ忍び込んで、予《あらかじ》めあれを隠しておいたのだ。それから一一〇番して……。

「なるほどな、隠し場所はあんまり頭のいい奴《やつ》の考えとは思えんな」

と、若い刑事が笑った。

どうしよう?——松本は、一瞬考えた。

今は、咲江を守らなくてはならない。この刑事に引張って行かれたら、当分は釈放してもらえまい。

みすみす、相手の罠にはまってたまるもんか!

松本は、パッと玄関へ向って飛び出して行った。

「おい!」

刑事が、焦って怒鳴った。「そいつを逃がすな!」

松本は、靴を引っかけ、玄関のドアの上にある、電気のブレーカーを、飛び上って切った。部屋の中が真暗になる。

外へ飛び出してドアを閉める。中で、誰かが転ぶ音がした。

「馬鹿! どけ!」

と、あの刑事が騒いでいる。

松本は、エレベーターに向って走り出した。そして、一階のボタンを押しておいて、階段を駆け上った。

足を止めて耳を澄ますと、

「下へ回れ!」

と、刑事の怒鳴る声が聞こえて来た。

松本は階段を上り続けた。——屋上へ出て息をつく。

風が冷たかった。松本は建物の反対側にある、荷物用のエレベーターへと急いだ。

たぶん、あの刑事たちは、この荷物エレベーターのことは知らないだろう。マンション内には会社もいくつか入っているので、別にこのエレベーターを付けてあるのだ。

松本は地階まで下りた。駐車場だ。

人の気配はない。出口の方へ駆け出そうとすると、警官の姿が目に入った。

まずい!——あわてて、車の間へ隠れる。

「よく見張ってろ!」

と、あの刑事が言っている。

そう馬鹿でもないらしいや、と、松本は思った。どこから出よう? もちろん、出入口は固めてしまっているのだろう。

「参ったな……」

と、呟《つぶや》いていると、

「何してんの?」

いきなり女の子の声がして、松本はびっくりした。

真赤な超ミニスカートの女の子が、松本を見下ろしている。

「あら、あんた下の部屋の大学生でしょ」

と、女の子は言った。

「君は……じゃ、上の部屋の? いつもガンガン、ロックをかけてる」

「そうよ。聞こえてる?」

「当り前さ。しかも午前三時や四時に」

「あら、三時四時が、私、一番元気なんだもん」

と、女の子は笑って、「お巡りさんが騒いでるわよ。何かやったの? 婦女暴行?」

「よせよ。マリファナだってさ」

「あら、見かけによらないのね」

と、面白そうに、「この車。私のよ。乗る?」

「——いいのか?」

「見付かりたくなかったら、トランクの中ね」

あんまり気が進むとは言いにくかったけれど、今の場合は仕方ない。

「頼むよ」

と、松本は言った。

「OK。じゃ、中に毛布があるから、それを敷いて。少しは乗り心地がいいかもしれないわよ」

女の子は、真赤なスポーツカーのドアを開けると、トランクのロックを外した。松本は急いで中へ入った。

「私、ルミ。あんたは?」

「松本」

「どこかにそんな場所、あったわね」

と言って、ルミという子は笑った。「じゃ、また後で」

バタン、とトランクの蓋《ふた》が閉じる。松本は、

「えらいことになったな……」

と呟いたが、ここは運を天に任せるしかない、と諦めて、手探りで毛布を広げようとした。

とたんに車が飛び出して、松本はいやというほど頭をぶつけてしまったのだった……。

やっと車は停った。

ドアが開く音がして、足音が後ろへ回って来た。

トランクの蓋が開く。

「——どうだった、乗り心地は?」

ルミが、いたずらっぽく訊《き》く。

「体中の骨がバラバラだよ」

と、松本はやっとの思いで、トランクを出て、腰を叩くと、「ひどい運転だなあ、全く!」

「あら、でも事故は起こしてないわ。人もはねてないし」

「そりゃ当り前……」

と言って、松本は、「——ここ、どこだい?」

「モテル」

「何だって?」

「疲れたでしょ。——入って」

そのまま、部屋へ引張り込まれる。

「結構新しいのよ」

と、ルミは言った。「一度来てみたかったんだ」

「ふーん」

松本は、目がくらみそうな、やたらまぶしい照明や、派手な内装に呆《あつ》気《け》に取られていたが……。

ちょっと咳払いして、

「ともかく助かったよ。マリファナって言ったけど、僕は何も知らないんだ。ぬれぎぬなんだよ」

「あ、そう」

ルミは一向に関心のない様子で、「ねえ、すてきでしょ、四十インチのTV!」

「お礼を言うよ。僕はちょっと急いで行かなきゃいけない所があるんだ」

「まだだめよ」

「だめって?」

「私がタダであなたを乗せてあげると思った?」

「いや……。今はね、ちょっとお金を持ってなくて」

「お金なんかいらないわよ」

とルミは言うと、いきなり服を脱ぎ出したのだ。

松本は仰天した。

「ね、君! 落ちついて!」

「あんたの方がよっぽどあわててる」

確かに、ルミの言う通りだった。

「僕には恋人がいて……」

「関係ないでしょ」

「どうして?」

「これは請求と支払い。——はい、これが請求書」

裸になったルミが、クルッと回って見せる。

スラリとした、いいプロポーションだった。

「あなたは、ちゃんと支払うわよね」

ルミが両手を松本の首にかける。

「だけどね、僕は……」

「真面目なんでしょ」

「うん……。まあね」

「だったら、タダで人のことを利用したりしないわよね」

「そりゃ君の要求はね、当然の権利と……」

「頭のいい人って好きよ。すぐに理解してくれるから」

「あの……」

松本は、何も言えなくなってしまった。口をルミの唇でふさがれてしまったからだ。

二人はそのまま、大きなベッドの上に倒れ込んだ。

——仕方なかった。松本は支払いをすることになったのである。

「何ですって?」

と、咲江は松本の話に息をのんだ。「警察の人が?」

「誰か、僕らを狙《ねら》った連中だよ、きっと」

と、松本は言った。「困った。あのマンションに入れなくなっちまった」

——咲江は、友だちの川田京子のすすめで、京子の親が持っている空室のあるマンションへ入っていた。

ここなら、まず見付かる心配はない、と思ったからである。松本もここへやって来た。

他に行く所もない。

しかし、ちょっと困ったのは……。

「それで、その人は?」

と、咲江が、真赤な超ミニのルミの方を見て、訊いた。

「うん……。僕があのマンションを出る時にね、助けてくれたんだ」

結局、ルミがここまでついて来てしまったのである。

「まあ、良かったわね。——ありがとうございました」

と、咲江が頭を下げると、

「いいのよ。ちゃんとその人から支払いはしてもらったから」

松本はあわてて咳払いすると、

「ともかく、その……。君は忙しいんだろ? 送ってくれてありがとう」

と、ルミを出て行かせようとしたが、

「何言ってるの」

と、咲江の方が松本を止めて、「そんなにお世話になっておいて。——せめてお茶でも」

「そう? 私、お腹空いてるの、ちょっと運動したもんだから」

松本が、また汗を拭《ぬぐ》った。

「じゃ、ちょっと遅いけど、何か作りましょうか、夜食でも」

「あら、嬉《うれ》しいわ」

と、ルミがニッコリ笑って、「自慢じゃないけど、私、カップラーメンもうまく作れないの。三分っていっても、いつも忘れて三十分もたっちゃうのよ」

「休んでらして、何か作るわ。あなたも食べるでしょ?」

松本が、

「うん……。でも——」

と言ったとたん、お腹がグーッと鳴ったのだった……。

咲江が台所に立っている間、松本とルミは居間のソファに座った。

「なあ」

と、松本が低い声で、「彼女には内緒。頼むよ」

「いいわよ。その代り——」

「何だい?」

「追い返そう、とかしないこと。——分った?」

「分った」

松本は、諦めて、肯《うなず》いた。ともかくルミは暇で困っているらしいのだ。松本たちの巻き込まれた事件は、正にルミにとっては、格好の暇つぶしなのだ。

——二十分ほどで、咲江は熱い「ぞうすい」を作って運んで来た。

「さ、熱い内にどうぞ。味が分ると、がっかりされそうだから」

と、咲江は照れたように言った。

「へえ! 器用なのねえ。おいしそう」

と、ルミは、遠慮もなく、さっさと食べ始めた。

「旨《うま》い」

と、松本は言った。「料理を習ったのかい?」

「だって、中学の時、母が亡くなったのよ。ずっとご飯を作って来たんだもの。少しはやれるようになるわ」

と、咲江も食べながら、「ルミさん、お味はいかが?」

ルミは、ものも言わずに食べていたが、やがて顔を上げると、

「——あなたって、すばらしい人ね」

と、言った。

咲江が面喰らって、

「あら、どうも……」

「この味! 作った人の人柄がそのまま出てるわ。すばらしい!」

どうやら感激しやすい体質のようである。

「ね、あんた」

と、松本をつっついて、「この人と、婚約してるの?」

「いや、まだ。だって——」

「馬鹿ね! 早くつかまえないと、こんな人、二度と出会えないわよ。一生悔むことになるわよ」

「そうかな。しかし今は——」

「今は、今は、って言ってちゃ逃げられるの! 明日、彼女はあんたよりもっといい男と会うかもしれないわよ。今すぐ、この人をとっつかまえなきゃ」

「嬉しいわ、でも——」

と、咲江が言いかけると、

「この人と寝たの?」

と、ルミが訊く。

「いいえ……」

「じゃ、今夜、この人と寝るのよ。こんだけ食べりゃ、体力も回復するでしょ」

「おい——」

「やり方知らなきゃ、教えてあげるわよ」

と、ルミは言った。「さ、早く食べよ」

ポカンとしていた咲江は、松本と顔を見合わせ、それから頬《ほお》を赤くして、自分のぞうすいを食べ始めた。

有一些人经常问日语阅读方法,其实在学习的过程中,没有很多的捷径,就算方法,也是要通过摸索和努力,找到真正适合自己的。小编所提的的,也只是一些建议,具体是否适合你,还有待于你去琢磨探索。对于小编而言,读一些经典片段和有趣文章,会让自己的学习兴趣更加浓厚,学习效率自然也会有很大提升。更多学习分享可以点击坦途网日语考试频道,我们一直为你更新。

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