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《消えた男の日記》选段分享2

2018年09月29日 09:46:57来源:日语考试网
导读:日本文学在世界范围内具有重要地位,日语考试阅读中,时而会涉及到这样的内容,所以大家可以平时就多读一些这样的文章,一是能够提升考试成绩,二是可以培养自己的文学素养,让自己对于日语也更感兴趣。

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下面是为你整理的内容。

空からの音

「どうかしたんですか」

と、入江は、署長の水島の顔を見るなり、言った。

「や、どうも」

と、水島は渋い顔で、「ちょっと面倒なことになりましてね」

いつもの通り、朝十時に署へ出向いて行った入江だが、中がいやにざわついているのである。

「実は——この間、首を吊《つ》って死んだ、花田あやという女なんですが」

と、水島は言った。

「ああ、郵便局の手伝いに来ていたとかいう……」

「そうです。——まあ、一人住いだし、寂しさがつのって自殺したとしても、不思議じゃない。今日、葬式なんですがね」

「その花田あやが、どうかしたんですか?」

「誰か、県警へ電話した者がいるらしいんです。それは自殺じゃない。殺されたんだとね」

「ほう」

「で、朝早くから、県警のお偉方に呼び出されましてね。一応、検死の手続きを取れ、と……。問題はない、と言ったんですが」

と、水島はふくれている。

「まあ、上の方の人は、言うだけだから、楽なもんですよ」

と、入江は肯いた。

「全くです!」

と、水島はため息をついて、「お寺さんにも、迷惑をかけてしまって……。そういうことを、さっぱり分ってくれない」

文句を言ってから、水島は、いささか照れた様子で、

「いや、すみません。入江さんに文句を言っても仕方ないのに」

と、頭をかいた。

「いやいや。よく分りますよ。すると、当然、現場の証拠保全の問題も出て来ますね」

「そうなんです。朝からそれで、てんてこまいでしてね。申し訳ありませんが、今日は——」

「ああ、分りました。いや、警官には、何といっても、現場を踏ませるのが一番ですからな」

「しかし、吹田なんか、入江さんにすっかり参ってますよ」

「あの若いのですか? なかなかよく働いてますな」

「有望です。昔と違って、骨惜しみせずに仕事に打ち込む者は少なくなりましたよ」

と、水島は自分で肯いて、「——では、失礼して、県警の相手をしなくてはならんもので」

「どうぞ。気にせんで下さい」

と、入江は言って、行きかけた水島へ、「誰が県警に電話したか、分ったんですか?」

と、声をかけた。

水島は振り向くと、

「分ってるんですよ、敦《あつ》子《こ》のやつですよ」

「敦子?」

「ほら、郵便局で働いてる若い子です」

「ああ、あの娘ですか」

「生意気なんです。ろくに何も分らんくせに……。局長に言っときましたから、クビでしょうな」

——水島が行ってしまうと、入江は、署から外へ出た。

大分、町にも慣れて来た。

町の人たちも、入江や大内、柴田依子を見ると、ニッコリ笑って会釈するようになっている。

入江が、盗まれた現金書留の入った袋の隠し場所を言い当てた、という話を、あの吹田が大げさにしゃべって回ったせいもあるのだ。入江はすっかり、「名探偵」にまつり上げられてしまっていた。

もちろん、あの事件そのものは、至ってすっきりしない。例の花田あやとかいう女の自殺にしても、そうだ。

旅館へ戻る前に、入江は郵便局の方へと歩いて行った。すると——郵便局から、勢いよく出て来たのは、水島の言っていた、「敦子のやつ」だ。

「——やあ、君」

と、声をかけると、今にも爆発しそうなほど、不機嫌な顔をしていた娘は、

「何ですか!」

と、かみつきそうな声を出した。

「おい、そうおっかない声を出すなよ」

「あ——。入江さん、でしたっけ」

「うん。どうしたんだい?」

その娘は、息をついて、

「クビになったんです」

と、言った。

どうやら、水島の言った通りになったらしい。

「そりゃ気の毒に。——何かあったのかね?」

「私が、守秘義務を守らなかった、って」

「それは、もしかして、我々のせいかな」

「いいえ」

と、娘は首を振った。「誰だかの所へ届いた手紙が開封されてた、と言うんです。私が中を読んだ、って苦情が来てるって」

それは明らかに言いがかりだろう。

「私、そんなこと、絶対にしません!」

と、娘はむくれている。

「ま、その内、分ってくれるよ」

と、入江は慰めて、「どうだい、我々の旅館へ来ないか。お茶でも飲んで、少し気分を直したら?」

「ええ……」

と、娘は入江を見て、「でも——」

「何だい?」

「私、年上の人って、あんまり好《この》みじゃないんです」

入江は、こんな小さな町の娘も、都会並みになってるなと痛感したのだった。

「——さ、お菓子でも」

と、柴田依子が、お茶とお菓子を娘に出した。「敦子さん、っていうの?」

「はい。木下敦子です」

と、娘はペコンと頭を下げた。

「ま、君がクビになったのは、そういうわけだよ」

と、入江が言った。「しかし、君、県警へ電話したのかい?」

「いいえ。まさか! 大体、県警って、何番にかけりゃいいんですか?」

と、敦子が菓子を頬《ほお》ばる。

「でも、検死があるって、いいことじゃないでしょうか」

と、依子が言った。

「そうだ。少しでも怪しい点は残さないようにしないとね」

「おばさん、殺されたのかなあ」

と、敦子は、眉《まゆ》を寄せて、「でも、人に恨まれるような人じゃなかったんですよ」

「恨まれなくても殺されることはあるよ。ある人にとってまずいことを知ってしまった、とかね」

「そうですね。——じゃ、あの泥棒と、何か関係が?」

「あり得るね。泥棒の、すぐ次の日、っていうのも妙だよ」

襖《ふすま》が開いて、大内が入って来た。

「あれ。警部、今日の講義は?」

「中止だ。——おい、木下敦子君だ」

「やあ、郵便局の」

「元、です」

「え?」

依子が、入江の腕をつついて、

「係長。ちょっとお話が」

と言った。

「うん」

入江と依子は、隣の部屋へ移った。

「——咲江さんから連絡があったんです」

「そうか。何か分ったのか?」

「それどころか、命を狙《ねら》われたそうです」

「何だと?」

入江が、青くなった。「それで——」

「無事です、ご安心下さい」

「そうか……」

入江は、息をついた。「詳しく話してくれよ」

——依子が、咲江から聞いた話を、入江にくり返すと、

「——すると、何か? その松本って奴《やつ》と、キスした? 何て奴だ! その男を暴行未遂で逮捕してやる!」

「係長。もう咲江さんは二十一ですよ」

「まだ子供だ」

「しっかりしてますよ、咲江さんは」

と依子は苦笑して、「それより、あの日記帳の中身、気になりますね」

「全くだ。あんな物、咲江の所へ送るんじゃなかったな」

と、入江は渋い顔で言った。

「問題は、東京にいる誰かが、私たちのことを知っただろう、ってことです」

と、依子は言った。

「うむ」

「咲江さんが危い目にあった、ってことは、私たち、それに、あの笠矢祥子って子も、同じように危いかもしれない、ということですわ」

「俺たちは、まあ用心すればすむが……」

「あの子に警告する必要がありますね」

入江は肯《うなず》いて、

「いい機会だ。三人で、その娘の家へ行ってみよう。今日は水島署長も忙しい」

「結構ですね」

と、依子は肯いた。「——大内さんも、一緒に?」

「もちろんだ」

「でも、あの木下敦子と、楽しくやってるようですし」

「何だと?」

入江は目を丸くした。

「あの子、なかなかしっかりしてますよ、ねえ、警部」

と、大内が言った。

「そうか?」

入江は、依子の目にはっきり分ることが、どうして俺《おれ》には分らないのか、と首をかしげていた。

「——こりゃ凄《すご》い」

と、大内が言った。

地蔵の谷へ、三人は入って来た。

両側の斜面から、何百という地蔵が、三人を見下ろしている。

「ね、なかなか壮観でしょ」

と、依子が言った。

「何だか、じっと見張られてるみたいで、いやだね」

と、大内は言った。

「おい」

と、入江は言った。「尾《つ》けられてないか?」

「大丈夫です。気を付けてますよ」

大内が肯く。

そこはプロである、尾けられていれば、必ず気付いている。

「足下に気を付けて下さい」

と、依子が言った。

「あの娘、家にいるのか?」

「昨日、今日と見てませんから。——たぶん、いると思います」

「しっ」

と、大内が言った。

「どうしたの?」

「音が……」

大内は足を止め、耳を澄ました。

かすかに、唸《うな》りのような音が、遠く空のかなたから、近付いて来る。

「ヘリコプターだ」

と、大内が言った。

有一些人经常问日语阅读方法,其实在学习的过程中,没有很多的捷径,就算方法,也是要通过摸索和努力,找到真正适合自己的。小编所提的的,也只是一些建议,具体是否适合你,还有待于你去琢磨探索。对于小编而言,读一些经典片段和有趣文章,会让自己的学习兴趣更加浓厚,学习效率自然也会有很大提升。更多学习分享可以点击坦途网日语考试频道,我们一直为你更新。

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